专利摘要:
種々のシステム実施形態は、心筋刺激器と、心拍数を検出し、心拍擾乱(HRT)を決定する際の使用に適合する少なくとも一つのセンサと、心筋刺激器および少なくとも一つのセンサに接続されるコントローラとを備える。心筋刺激器は、少なくとも一つの電極を通してペーシングパルスを送出し、心臓ペーシングを提供するように構成されている。コントローラは、ストレス誘発性ペーシング中に交感神経緊張を増加させるように適合されたストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスを断続的に送出するようになっている。コントローラは、さらに、検出された心拍数からHRTを決定して、ストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスを評価し、ストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスが望ましくない場合、ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータを調整して心臓ストレスを調整するように構成されている。
公开号:JP2011513027A
申请号:JP2010550674
申请日:2009-03-02
公开日:2011-04-28
发明作者:アルコット−クリシュナマーシー、シャンタ;シー. シュロス、アラン
申请人:カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド;
IPC主号:A61N1-365
专利说明:

[0001] 本出願は、一般に、医療デバイス、より詳細には、自律神経平衡を監視して断続的な治療を制御するシステム、デバイス、および方法に関する。
(優先権主張)
優先権の利益は、その出願が参照により本明細書に組込まれる、2008年3月13日に出願された米国特許出願第61/036,421号に対して請求される。]
背景技術

[0002] 心筋梗塞および/または心不全などの心臓疾患は、有害な心室リモデリング、および、副交感神経緊張よりも交感神経活性が優位となる自律神経緊張の不平衡をもたらしうる。心臓疾患中は、弱化した心室は、正常心拍出量を維持することが可能なレベルを下回る可能性がある。結果として、身体は、交感神経緊張を増加させ、副交感神経活性を抑制することによって、減少した心拍出量を代償し、心拍数、心筋収縮性、および血液量の増加をもたらす。このメカニズムは、短期的には有益であるが、長期的には有害な影響を有する。]
[0003] 運動、ドブタミン注入、心筋ペーシング、または外部対抗脈動が、心臓および身体について有益な調節(conditioning)効果を提供することが実験的に示されている。断続的なストレス(たとえば、運動)は、自律神経緊張が、主に交感神経的な傾向から、交感神経系と副交感神経系との間の所望の自律神経平衡に向かう傾向を持つため、自律神経緊張の不平衡を改善した。たとえば、心室機能が低下した患者における集中的な運動訓練は、左心室の容積、機能、または壁厚の有害な影響をもたらさずに、運動能力の著しい改善(O2摂取、最大分時換気量、CO2産生、運動時間およびワットの増加)をもたらすことが示された。利益についての考えられるメカニズムは、これらの短い間隔のストレスが、交感神経緊張を増加させ、ストレスが中断した後に副交感神経緊張の反射的増加をもたらすことである可能性がある。]
[0004] ドブタミンを投与された動物における断続的な交感神経刺激は、身体的な調節の利益に類似する利益を生じる。試験的な臨床研究では、ドブタミン治療(30分/日、4日/週、3週)を受けた、安定的に中程度に重度のHF(EF=23%)患者は、以下の利益、すなわち、運動耐容能の増加、心拍変動の改善、末梢血管抵抗の低下、および血漿ノルアドレナリンの減少を経験した。]
[0005] 心臓疾患のための考えられる治療として、人工的な心臓ペーシングの形態で断続的なストレスを送出することが提案されてきた。患者は、ペーシングがあまりにも少なくストレスを送出する場合、所望の利益を経験しない可能性があるか、または、ペーシングがあまりにも多くストレスを送出する場合、(過運動と同様に)損なわれる可能性がある。]
課題を解決するための手段

[0006] 種々のシステム実施形態は、心筋刺激器と、心拍数を検出して、心拍擾乱(heart rate turbulence:HRT)を決定する際の使用に適合する少なくとも一つのセンサと、心筋刺激器および少なくとも一つのセンサに接続されるコントローラとを備える。心筋刺激器は、少なくとも一つの電極を通してペーシングパルスを送出して心臓ペーシングを提供するように構成されている。コントローラは、ストレス誘発性ペーシング中に交感神経緊張を増加させるように適合されたストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスを断続的に送出するように構成されている。コントローラは、さらに、検出された心拍数からHRTを決定してストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスを評価し、ストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスが望ましくない場合、ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータを調整して心臓ストレスを調整するように構成されている。]
[0007] 種々のシステム実施形態は、ストレス誘発性ペーシング中に交感神経緊張を増加させるように構成されたストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスを断続的に送出する手段と、ストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスを評価する手段であって、HRTを評価する手段を含む、心臓ストレスを評価する手段と、ストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスが望ましくない場合、ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータを調整して心臓ストレスを調整する手段とを備える。]
[0008] 種々の方法実施形態によれば、ストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスが断続的に送出される。ストレス誘発性ペーシングパルスは、ストレス誘発性ペーシング中に交感神経緊張を増加させるように適合されている。心臓ストレスを評価することは、HRTを決定することを含む。ストレス誘発性ペーシングパルスに対する評価された心臓ストレスが望ましくない場合、ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータが調整されて心臓ストレスを調整する。]
[0009] この概要は、本出願の教示の一部の概観であり、本主題の排他的なまたは網羅的な扱いであることを意図されない。本主題に関するさらなる詳細は、詳細な説明および添付特許請求の範囲内に見出される。他の態様は、以下の詳細な説明を読み理解し、また、本主題の一部を形成する図面を見ると、当業者に明らかになるであろう。説明および図面は、制限的な意味で考えられるべきではない。本発明の範囲は、添付特許請求の範囲およびその均等物によって規定される。]
図面の簡単な説明

[0010] ある期間の運動に対する自律神経反応を示す図である。
ある期間の心臓保護ペーシング治療(CPPT)に対する自律神経反応を示す図である。
CPPTを制御するための実施形態を示す図である。
心室期外収縮(PVC)事象、PVC前心拍数データ、およびPVC後心拍数データを有するタイムラインを示す図である。
本主題の種々の実施形態による、CPPTを制御するときの使用のための、自律神経平衡指示子(ABI)を決定する方法を示す図である。
ABI検出器の実施形態を示す図である。
心拍擾乱(HRT)を監視してCPPTを制御する方法の実施形態を示す図である。
複数のCPPTセッションを示し、さらに、CPPTセッションの過程にわたる自律神経平衡を示す図である。
種々の実施形態による、短期HRT評価および長期HRT評価を決定するタイミングを例として示す図である。
CPPTセッションを終了させるために、ストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスを再開する前に、CPPTセッションが、短期HRT評価を提供するために中断される実施形態を示す図である。
種々の実施形態による、コントローラに組込まれる可能性があるCPPTコントロール生成器を示す図である。
埋め込み型医療デバイスの実施形態を示す図である。
本主題の種々の実施形態による、神経刺激(neural stimulation:NS)コンポーネントおよび心臓調律管理(CRM)コンポーネントを有する埋め込み型医療デバイス(IMD)を示す図である。
マイクロプロセッサベースの埋め込み型デバイスの実施形態のシステム図を示す図である。]
実施例

[0011] 本主題の以下の詳細な説明は、本主題がそこで実施される可能性がある特定の態様および実施形態を、例証として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が、本主題を実施することを可能にするのに十分に詳細に述べられる。他の実施形態が、利用されてもよく、また、構造的、論理的、および電気的変更が、本主題の範囲を逸脱することなく行われてもよい。本開示における「ある」、または「種々の」に対する言及は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、こうした言及は、2つ以上の実施形態を想定する。したがって、以下の詳細な説明は、制限的な意味で考えられるべきでなく、その範囲は、添付特許請求の範囲がそれに対して権利が与えられる法的均等物の全範囲と共に、添付特許請求の範囲によってだけ規定される。]
[0012] 本主題は、心臓保護ペーシング治療(cardiac protective pacing therapy:CPPT)に対する患者の生理的反応を効果的に測定して治療送出を制御する。CPPTは、ペーシング中の交感神経緊張の増加によって明らかなように、断続的に送出されて、心臓に所望のストレスを断続的に送出する。CPPTはまた、心臓を調節する(condition)ための断続的ペーシング治療(intermittent pacing therapy:IPT)と呼ばれてもよい。]
[0013] 種々の埋め込み型デバイス実施形態は、調節効果(conditioning effect)のための断続的ペーシング治療について閉ループ制御を提供し、断続的治療に対する患者の反応が測定されて、患者が目下のストレスに耐えることができるか、または、より大きなストレスに耐えることができるかが判定される。患者がより大きなストレスに耐えることができると判定され、かつ、断続的ペーシング治療のためにストレスを増加させることが望ましいとペーシング治療が判定する場合、本主題は、心臓の非同期性を増加させるプロトコルに従ってペーシングを実施し、非同期性の増加(協調の減少)は、心臓により大きなストレスを提供する。患者が目下のストレスに耐えることができないか、または、目下のストレスが普通なら望ましくないと判定される場合、本主題は、断続的ペーシング治療ために心臓の非同期性を下げるプロトコルに従ってペーシングを実施し、非同期性の減少(協調の増加)は、心臓に対してストレスを低下させる。]
[0014] HRTは、自律神経緊張の非常に有効な代替尺度であることがわかった。先行する心拍数は、HRTに影響を及ぼす。先行する低い心拍数は、高いHRTを生じる。交感神経緊張が増加する正常な患者における激しい運動中は、HRTの対応する減少が存在する。心室期外収縮後にHRTが存在しないことが、非常に有力な梗塞後危険分類子であり、この梗塞後危険分類が、他の知られている危険因子と無関係であり、また、現在のところ利用可能な他の危険予測子より強力であることを、シュミット(Schmidt)らは発見した。たとえば、HRTの増加は、CPPTに対する反応の短期評価の場合、かなり健康な状態を示す。すなわち、自律神経平衡に、より副交感神経的な緊張に向かう傾向を持たせるために、CPPT治療を継続することが望ましいが、短期評価についてのHRTの増加は、患者の健康が、目下のCPPTプロトコルに耐えることができる程度のものであることを示す。]
[0015] 一部のデバイス実施形態は、刺激の有効性を評価し、ストレス治療を増加させるか、減少させるか、または維持するように、刺激パラメータ(たとえば、ストレスの継続期間および強度の少なくとも一方)に対して自動調整を行うために、断続的ストレス治療の前、その最中、およびその後に、HRTを評価することによって閉ループ断続的ペーシング治療を送出する。本主題は、所望である場合、治療設定を維持するか、治療に耐えるための患者の閾値に近くなるようにCPPTのストレスレベルを増加させるか、または、患者が治療によりよく耐えることを可能にするためにCPPTのストレスレベルを低下させるかを判定しうる。たとえば、(ストレスを増加させる)より積極的な治療は、AV遅延を短縮するか、速いレートでペーシングするか、長いペーシング期間を設けるか、または長いVV遅延(たとえば、通常、右心室ペースと左心室ペースとの間には非常に短い期間が存在するため、両者の間の長い期間)を設けることによって送出されてもよい。(ストレスを減少させる)より消極的な治療は、AV遅延を延長するか、遅いレートでペーシングするか、短いペーシング期間を設けるか、または短いVV遅延を設けることによって送出されてもよい。]
[0016] 種々の実施形態は、CPPTの閉ループフィードバック制御を提供するために、短期自律神経平衡推定値としてHRTを使用する。種々のデバイス実施形態は、誘発性事象に応答して、心室期外収縮(permature ventricular contraction:PVC)とも呼ばれる期外収縮ペースを導入する。誘発性事象の例は、プログラムされた間隔におけるタイマの終了を含むか、または、検出された頻脈性不整脈などの電位図事象に基づく。PVCに対する、自律神経平衡および心臓の健康を示すHRT反応が測定される。心臓ペーシングは、測定されたHRTに基づいて調節される。減少したHRTは、悪化する健康状態を示し、本主題の種々の実施形態は、測定されたHRTが、減少したHRTを反映すると判定することに応答して、ペーシングを中断するかまたはより消極的なペーシングを送出する。増加したHRTは、改善する健康状態を示し、本主題の種々の実施形態は、測定されたHRTが、増加したHRTを反映すると判定することに応答して、より積極的なペーシングを送出する。種々の実施形態は、HRTの変化が存在しない場合、ペーシングの目下の設定を継続する。一部の埋め込み型デバイス実施形態は、患者が安静にしている間に、人工的にペーシングされるPVCを提供することによって、ベースラインHRT反応テンプレートを記録する。定常状態セッションなどのペーシングセッションに続いて、デバイスは、ペーシングされたPVCを挿入し、結果として得られるHRTを測定し、測定されたHRTをHRT反応テンプレートと比較する。]
[0017] 種々の実施形態は、HRTを使用して短期と長期の両方の治療の効果を評価する。たとえば、CPPTの長期傾向は、副交感神経緊張を増加させ、交感神経緊張を減少させることによって、自律神経平衡を改善することであることが予想される。自律神経平衡を改善する所望の傾向を提供する治療の有効性は、非ペーシング期間中にHRTを測定することによって監視される。短期評価は、誘発されたストレスを長期治療の一部として取込む心臓の能力を監視する。短期評価は、断続的ストレス送出の短い取組みの間で測定されるか、またはそうでなければ、ストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスに対する心臓ストレス反応を評価するCPPTに関する時間枠内で測定される。CPPTの期間中、心臓ペーシングが送出される期間および心臓ペーシングが送出されない期間が存在する。たとえば、CPPTは、1日当たり1回〜3回について、10〜60分間送出されてもよい。HRTの短期評価は、心臓にストレスをかける心臓ペーシングが送出されない期間中に測定されうる。たとえば、HRTは、連続するペーシング時間間の各期間中に評価されてもよく、または、全ての2番目、3番目などのペーシング期間後に評価されてもよい。たとえば、10分のCPPTが送出されて、CPPTセッションを開始してもよい。CPPTは、ある時間の間停止されて、CPPTセッションを継続する前に、HRTが測定され、患者がCPPTにどれほどうまく耐えることができるかについて評価が行われる。]
[0018] CPPTは、心臓についての自律神経平衡を改善するために自律神経緊張を調節するため、心臓または心筋調節治療と呼ばれてもよい。心筋調節治療は、心不全治療、高血圧治療、またはMI後治療(リモデリングのための治療)において使用されてもよい。]
[0019] 生理学
以下では、神経系および本主題を使用して処置されることが可能な一部の疾患の簡潔な説明が提供される。本説明は、読者が、開示される主題を理解するのを補助すると思われる。
神経系
自律神経系(autonomic nervous system:ANS)は、「不随意(involuntary)」器官を調節し、一方、随意(骨格)筋の収縮は、体性運動神経によって制御される。不随意器官の例は、呼吸器官および消化器官を含み、血管および心臓も含む。しばしば、ANSは、たとえば、腺を調節するため、皮膚、目、胃、腸、および膀胱の筋肉を調節するため、また、心筋および血管の周りの筋肉を調節するために、不随意で反射的な方式で機能する。]
[0020] ANSは、交感神経系および副交感神経系を含む。交感神経系は、ストレスおよび非常時に対する「闘争または逃避反応(fight or flight response)」と関係がある(affiliated with)。とりわけ、「闘争または逃避反応」は、血圧および心拍数を増加させて、骨格筋血流を増加させ、また、消化を減退させて、「闘争または逃避(fight or fleeting)」のためのエネルギーを提供する。副交感神経系は、弛緩および「休息および消化反応(rest and digest response)」と関係があり、作用の中でもとりわけ、血圧および心拍数を減少させ、また、消化を増進して、エネルギーを保存する。ANSは、正常な内部機能を維持し、体性神経系と共に働く。求心性神経は、神経中枢に向かってインパルスを伝達し、遠心性神経は、神経中枢から離れてインパルスを伝達する。]
[0021] 心拍数および心臓の力は、交感神経系が刺激されると増加し、交感神経系が抑制される(副交感神経系が刺激される)と減少する。心拍数、収縮性、および興奮性は、中枢性反射路によって調節されることが知られている。心臓、大血管、および肺内の圧受容器および化学受容器は、心臓活性を、迷走神経および交感神経求心性線維を通して中枢神経系に伝達する。交感神経求心性線維の活性化は、反射交感神経活性化、副交感神経抑制、血管収縮、および頻脈を誘発する。対照的に、副交感神経活性化は、徐脈、血管拡張、およびバソプレシン放出の抑制をもたらす。因子の中でもとりわけ、副交感神経緊張または迷走神経緊張の減少あるいは交感神経緊張の増加は、心室頻脈および心房細動を含む種々の不整脈起源に関連する。]
[0022] 圧反射は、圧受容器の刺激によって誘発される反射である。圧受容器は、心耳、大静脈、大動脈弓、および頚動脈洞の壁内の感覚神経終末などの圧力変化の任意のセンサを含み、そのセンサは、内部からの圧力の増加によって発生する壁の伸長に敏感であり、かつ、その圧力を減少させる傾向がある中枢反射メカニズムの受容器として機能する。神経細胞のクラスタは、自律神経節と呼ばれうる。これらの神経細胞はまた、圧反射を誘発するために電気的に刺激されることができ、圧反射は、交感神経活性を抑制し、副交感神経活性を刺激する。自律神経節は、こうして、圧反射路の一部を形成する。感覚神経終末からつながる、迷走神経、大動脈神経、および頚動脈神経などの求心性神経幹もまた、圧反射路の一部を形成する。圧反射路および圧受容器の少なくとも一方を刺激することは、交感神経活性を抑制し(副交感神経活性を刺激し)、末梢血管抵抗および心臓収縮性を減少させることによって、全身血圧を減少させる。圧受容器は、内圧および血管壁(たとえば、動脈壁)の伸張によって自然に刺激される。]
[0023] 交感神経系および副交感神経系を刺激することは、心拍数および血圧以外の影響を及ぼしうる。たとえば、交感神経系を刺激することは、瞳孔を拡張させ、唾液および粘液産生を減少させ、気管支の筋肉を弛緩させ、胃の連続する不随意収縮(蠕動)波および胃の運動性を減少させ、肝臓によるグリコーゲンのグルコースへの変換を増大させ、腎臓による尿分泌を減少させ、膀胱の壁を弛緩させ、括約筋を閉鎖させる。副交感神経系を刺激すること(交感神経系を抑制すること)は、瞳孔を収縮させ、唾液および粘液産生を増加させ、気管支の筋肉を収縮させ、胃および大腸の分泌および運動性を高め、小腸の消化を高め、尿分泌を増加させ、膀胱の壁を収縮させ、括約筋を弛緩させる。交感神経系および副交感神経系に関連する機能は、たくさんあり、互いに複雑に統合されうる。]
[0024] 神経刺激は、神経トラフィックを刺激するか、または、神経トラフィックを抑制するために使用されうる。神経トラフィックを刺激する神経刺激の例は、低周波(たとえば、20Hz〜50Hzの程度の範囲内の)信号である。神経トラフィックを抑制する神経刺激の例は、高周波(たとえば、120Hz〜150Hzの程度の範囲内の)信号である。神経トラフィックを刺激し、また、抑制する他の方法が提案されている。本主題の種々の実施形態によれば、交感神経目標は、腓骨神経、脊髄内の交感神経柱、および心臓交感神経節後ニューロンを含むが、それに限定されない。本主題の種々の実施形態によれば、副交感神経目標は、迷走神経、圧受容器、および心臓脂肪パッドを含むが、それに限定されない。神経刺激は、求心性神経路に選択的に送出されうるか、遠心性神経路に選択的に送出されうるか、または、求心性神経路と遠心性神経路の両方に送出されうる。たとえば、一部の実施形態は、副交感神経求心性神経線維だけまたは副交感神経遠心性神経線維だけを選択的に刺激するかまたは抑制し、一部の実施形態は、交感神経求心性神経線維または交感神経遠心性神経線維を選択的に刺激するかまたは抑制する。
CPPT
先に明らかにしたように、自律神経緊張は、自律神経目標を刺激するかまたは抑制することによって調節される可能性がある。本主題の実施形態は、CPPTを使用して自律神経緊張を調節する。CPPTに関連する生理学が以下で説明される。]
[0025] 洞房(sinoatrial:SA)結節は、電気伝導系を通して心臓の種々の領域に伝播する電気インパルスを生成して、これらの領域の心筋組織を興奮させる。内因性心調律は、正常調律であってもよく、または、異常調律であってもよい。正常な電気伝導系における電気インパルスの協調した遅延によって、心臓の種々の部分が、同期して収縮する。本明細書で使用される同期性は、効率的なポンピング機能をもたらすための、心臓の種々の部分の協調した収縮を示す。同期性は、心臓の複数の部分が全て同時に収縮することを示さない。]
[0026] 異常な電気伝導および/または弱化した心筋組織は、心臓の種々の部分間に非同期性(協調したタイミングが皆無であること)を引起し、非効率的なポンピング機能をもたらす。本主題は、自律神経緊張を調節するシステム、デバイス、および方法に関する。本主題は、自律神経平衡を改善し、したがって、心臓の健康を改善する心臓調節治療を提供するために、心臓保護ペーシング治療(CPPT)および神経刺激を使用する。CPPTは、断続的な期間中に心臓に意図的にストレスをかけるように心臓をペーシングする断続的ペーシング治療である。心臓は、CPPTによってストレスをかけられると、CPPTが心臓に適用されていないときと比較して、心臓がより一層働かされるようにペーシングされる。ペーシングされた心臓は、ストレス誘発性ペーシングパルスが送出される部位から離れた心臓の局所領域においてより一層働く。たとえば、ストレスをかけられる心臓は、ペーシングされて、より速く、かつ/または、より非同期的に(協調されずに)拍動する可能性がある。制限ではなく例を挙げると、種々のCPPT実施形態は、右心房についてペーシングレートを増加し、右心室についてペーシングレートを増加し、AV遅延を短縮し、かつ/または、VV遅延を延長する。CPPTの強度を増加させることは、右心房または右心室のペーシングレートをさらに増加すること、CPPTが無い状態での内因性レートと異なるようにAV遅延をさらに短縮すること、ペーシング部位を変更すること、および、CPPTが無い状態での内因性レートと異なるようにVV遅延をさらに延長することの少なくとも一つを含んでもよい。同期不全を有し、同期不全のために2心室ペーシングを受けている患者では、ストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンス中に2心室ペーシングを中断することによって、心臓ストレスが増加しうる。CPPTの強度を減少させることは、ペーシング部位を変更することを含んでもよく、右心房または右心室のペーシングレートを内因性レートに近くなるように減少させることを含んでもよく、AV遅延を内因性AV遅延に近くなるように増加させることを含んでもよく、かつ/または、VV遅延を内因性VV遅延に近くなるように短縮させることを含んでもよい(内因性調律が正常であっても、異常であっても)。高い強度(ストレスではない)を有するCPPTを送出することは、CPPT中に交感神経反応を増加させることに相当する。
疾患
本主題は、自律神経緊張を調節することによって、種々の疾患を予防的にまたは治療的に処置するために使用されうる。こうした疾患または症状の例は、高血圧、心臓リモデリング、および心不全を含む。]
[0027] 高血圧は、心臓疾患および他の関連する心臓合併症の原因である。結果として、心臓は、高い血圧で流量を維持するためにより一層働き、それが、心不全の一因になりうる。高血圧は、一般に、心血管損傷または他の悪い結果を誘発する可能性があるレベルへの全身血圧の一時的なまたは持続した上昇などの高い血圧に関する。高血圧は、140mmHgを超える収縮期血圧または90mmHgを超える拡張期血圧として定義されてきた。制御されない高血圧の結果は、網膜血管障害および脳卒中、左心室肥大および不全、心筋梗塞、解離性動脈瘤、および腎血管性疾患を含むが、それに限定されない。母集団の大きな割合ならびにペースメーカまたはデフィブリレータを埋め込まれた患者の大きな割合が、高血圧を患う。血圧および高血圧が低減されうる場合、この母集団について、長期死亡率ならびに生活の質が改善されうる。高血圧を患う多くの患者は、生活様式の変更に関する処置および高血圧薬などの処置に反応しない。]
[0028] 心筋梗塞(myocardial infarction:MI)または他の減少した心拍出量の他の原因に続いて、構造的、生化学的、神経ホルモン的、および電気生理的因子を含む、心室の複雑なリモデリングプロセスが起こる。心室リモデリングは、心室の拡張期充満圧を増加させ、それにより、いわゆる前負荷(すなわち、心室が、拡張末期の心室内の血液容積によって伸張する程度)を増加させるいわゆる後方不全のために、心拍出量を増加するように作用する生理的代償性メカニズムによって誘発される。前負荷の増加は、収縮期中の一回拍出量の増加、フランク−スターリングの原理として知られている現象をもたらす。しかし、心室が、ある期間にわたって増加した前負荷のために拡張すると、心室は膨張する。心室容積の拡大は、所与の収縮期圧において心室壁ストレスの増加をもたらす。心室によって行われる圧力−容積仕事の増加と共に、心室容積の拡大は、心室心筋の肥大のための刺激として作用する。拡張の欠点は、正常な残留心筋に課される余分の仕事量および壁張力の増加(ラプラスの法則)であり、これらは、肥大のための刺激を表す。肥大が、増加した張力に整合するのに適切でない場合、さらなるかつ漸進的な拡張をもたらす悪循環が起こる。心臓が拡張し始めるにつれて、求心性圧受容器および心肺受容器信号が、血管運動中枢神経系コントロールセンターに送出され、コントロールセンターは、ホルモン分泌および交感神経放電によって反応する。心室リモデリングに関わる細胞構造の有害な変化を最終的に説明するのは、血行動態変化、交感神経系変化、およびホルモン変化(アンジオテンシン変換酵素(ACE)活性の存在または非存在など)の組合せである。肥大をもたらす持続性ストレスは、心筋細胞のアポトーシス(すなわち、プログラムされた細胞死)を、そして最終的には、壁厚肉化を誘発し、心臓機能のさらなる弱化をもたらす。そのため、心室拡張および肥大は、最初は、代償性であり、心拍出量を増加させるが、プロセスは、最終的には、収縮と拡張の両方の不全(代償不全)をもたらす。心室リモデリングの程度が、MI後および心不全の患者の死亡率の増加と正の相関を持つことが示された。]
[0029] 心不全は、末梢組織の代謝要求を満たすのに適切なレベルより低くなりうる正常未満の心拍出量を心臓機能がもたらす臨床症候群を指す。心不全は、付随する静脈および肺うっ血のために、うっ血性心不全(CHF)として現れる可能性がある。心不全は、虚血性心臓疾患などの種々の原因によりうる。心不全患者は、LV機能障害および死亡率の増加に関連する自律神経平衡の減少を有する。交感神経系および副交感神経系の調節は、心不全およびMI後の患者のリモデリングおよび死を防止するときに、考えられる臨床的な利益を有する。直接電気刺激は、圧受容器を活性化し、交感神経活性の減少を誘発し、血管抵抗を減少させることによって血圧を低減する。交感神経抑制および副交感神経活性化は、おそらく、短期的に虚血性の心筋の側副灌流を増加させ、心筋損傷を減少させることによって、心筋梗塞に続く不整脈脆弱性の低減を伴ってきた。
HRT
本主題は、自律神経平衡指示子(autonomic balance indicator:ABI)としてHRTを使用する。HRTは、心室期外収縮(PVC)に対する洞房結節の生理的反応であり、短期の初期心拍数加速と、それに続く心拍数減速からなる。HRTは、HRTに密接に相関する、自律神経機能の指標であることが示された。HRTは、自律神経圧反射であると思われる。PVCは、動脈血圧の短期擾乱(期外拍動の低い振幅、それに続く正常拍動の高い振幅)をもたらす。このつかの間の変化は、自律神経系が健康である場合,HRTの形態の瞬時反応によって即座に登録されるが、自律神経系が損なわれている場合、弱くなるかまたは抜ける。]
[0030] 制限ではなく例として、擾乱開始(turbulence onset:TO)および擾乱傾斜(turbulence slope:TS)を使用してHRTを定量化することが提案されてきた。TOは、PVC直前の心拍数とPVC直後の心拍数との差を指し、パーセンテージとして表現されうる。たとえば、2つの拍動が、PVCの前と後で評価される場合、TOは、
TO%=[{(RR+1+RR+2)−(RR−2+RR−1)}/(RR−2+RR−1)]*100
として表現されうる。]
[0031] RR−2およびRR−1は、PVCに先行する最初の2つの正常間隔であり、RR+1およびRR+2は、PVCに続く最初の2つの正常間隔である。種々の実施形態では、TOは、それぞれの個々のPVCについて決定され、その後、全ての個々の測定値の平均値が決定される。しかし、TOは、多くの測定にわたって平均される必要があるのではなく、一つのPVC事象に基づきうる。正のTO値は、洞調律の減速を示し、負の値は、洞調律の加速を示す。PVCの前および後で解析されるR−R間隔の数は、所望のアプリケーションに従って調整されうる。たとえばTSは、5つのR−R間隔の各シーケンスについて線形回帰の最も急峻な傾斜として計算されうる。種々の実施形態では、TS計算は、平均化されたタコグラムに基づき、ミリ秒/RR間隔で表現される。しかし、TSは、平均化されることなく決定されてもよい。TS計算の線形回帰を決定するのに使用されるシーケンス内のR−R間隔の数はまた、所望のアプリケーションに従って調整されうる。]
[0032] ルールまたは基準が、PVCを選択するのに使用するために、また、PVCの前および後で有効なRR間隔を選択するのに使用するために設けられうる。PVCは、前の間隔よりある期間またはパーセンテージだけ短い、ある間隔範囲内のR−R間隔によって規定されうる、または、PVCは、心房事象が測定される場合、介在するP波(心房事象)が無いR−R間隔によって規定されうる。種々の実施形態は、収縮が、先行する収縮から一定範囲で起こる場合、および、収縮が、後続する収縮から一定範囲内に起こる場合にだけ、PVCを選択する。たとえば、種々の実施形態は、HRT計算を、最小早期(minimum prematurity)の20%および正常間隔より少なくとも20%長い期外収縮後間隔を有するPVCに限定する。さらに、PVC前R−R間隔およびPVC後R−R間隔は、拍動がどれもPVCでないという条件を満たす場合に、有効であると考えられる。たとえば、一つのHRTプロセスは、最初の継続期間未満であるか、2番目の継続期間より長いか、3番目の継続期間より長い期間だけ先行する間隔と異なるか、または、所定量の継続期間またはパーセンテージだけ参照間隔と異なるRR間隔を除外する。特定の値を有するHRTプロセスの実施形態では、300ms未満であるか、2000msより長いか、200msより長い期間だけ先行する間隔と異なるか、または、20%大きい量だけ最後の5つの洞間隔の平均(mean)と異なる場合に、RR間隔が除外される。本主題の種々の実施形態は、PVCを選択するのに使用するために、また、PVCの前および後で有効なRR間隔を選択するのに使用するために、先に特定されたパラメータのうちの任意のパラメータなどのプログラム可能なパラメータを提供する。]
[0033] CPPTによるストレスに患者が耐える能力を評価するために、ABIが所望されるとき、デバイスは、先に述べたように、PVCを導入し、結果として得られるHRTを測定する。]
[0034] 自律神経平衡を監視するためにHRTを使用することの利益は、一つの瞬間において自律神経平衡を測定する能力を含む。さらに、HRVの測定と違って、HRT評価は、頻繁に心房ペーシングを受ける患者において実施されうる。さらに、HRT解析は、自律神経平衡の単純でプロセッサ集約的でない測定を実現する。そのため、データ処理、データ記憶、およびデータの流れは、比較的小規模であり、コストが安くかつ電力消費が少ないデバイスをもたらす。同様に,HRT評価は、HRVより高速であり、著しく少ないR−Rデータを必要とする。HRTは、たとえば、数十秒程度などの典型的な神経刺激バースト継続期間と継続期間が同じ短い記録期間にわたる評価を可能にする。
他のABI
ABIは、治療の閉ループ制御を提供して自律神経緊張を調整するのに使用されうる。種々の実施形態は、心拍変動(heart rate variability:HRV)、心拍擾乱(heart rate turbulence:HRT)、電位図特徴、活性、呼吸、および肺動脈圧などのパラメータのうちの一つまたは種々の組合せを使用してABIを評価する。これらのパラメータは、以下で簡潔に説明される。種々の実施形態は、ABIを使用して処置の閉ループ制御を提供する。]
[0035] HRVは、自律神経平衡を評価するために提案された一技法である。HRVは、自律神経系の交感神経枝および副交感神経枝による、洞房結節、心臓の生来のペースメーカの調節に関連する。HRV評価は、心臓の調律における拍動−拍動変動が、交感神経活性と迷走神経活性の平衡の程度によって規定される心臓の健康の間接的な尺度を提供するという仮定に基づく。]
[0036] 内因性心室心収縮間の時間間隔は、心拍数および循環系を通ってポンピングされる血液の量の変化についての身体の代謝要求に応じて変化する。たとえば、運動または他の活動の期間中に、人の内因性心拍数は、一般に、いくつかのまたは多くの心拍動の期間にわたって増加することになる。しかし、拍動−拍動ベースで、すなわち、心拍動ごとに、かつ、運動無しの状態でさえ、正常な人では、内因性心収縮間の時間間隔が変わる。内因性心拍数のこれらの拍動−拍動変動は、血圧および心拍出量の自律神経系による適切な調節の結果であり、こうした変動が無いことは、自律神経系によって提供される考えられる調節の不足を示す。HRVを解析する一方法は、内因性心室収縮を検出すること、および、任意の異所性収縮(正常洞調律の結果でない心室収縮)をフィルタリング除去した後に、R−R間隔と呼ばれるこれらの収縮間の時間間隔を記録することを含む。R−R間隔のこの信号は、通常、そのスペクトル周波数成分が解析され、低周波帯域および高周波帯域に分割されうるように、高速フーリエ変換(FFT)を使用することなどによって、周波数領域に変換される。たとえば、低周波(LF)帯域は、周波数(f)範囲0.04Hz<f<0.15Hzに相当し、高周波(HF)帯域は、周波数範囲0.15Hz<f<0.40Hzに相当しうる。R−R間隔信号のHF帯域は、自律神経系の副交感神経/迷走神経成分によってだけ影響を受ける。R−R間隔信号のLF帯域は、自律神経系の交感神経成分と副交感神経成分の両方によって影響を受ける。その結果、比LF/HFは、自律神経系の交感神経成分と副交感神経/迷走神経成分との間の自律神経平衡の良好な指示と見なされる。LF/HF比の増加は、交感神経成分の支配の増加を示し、LF/HF比の減少は、副交感神経成分の支配の増加を示す。特定の心拍数について、LF/HF比は、患者のウェルネスの指示と見なされ、低いLF/HF比は、心血管の健康のよりポジティブな状態を示す。R−R間隔信号の周波数成分のスペクトル解析は、時間領域から周波数領域へのFFT(または、自己回帰などの他のパラメトリック変換)を使用して実施されうる。こうした計算は、かなりの量のデータ記憶および処理能力を必要とする。さらに、こうした変換計算は、電力消費を増加させ、また、埋め込まれた電池駆動式デバイスが、その置換が必要とされる前に使用されうる期間を短縮させる。]
[0037] HRVパラメータの一例は、SDANN(平均化されたNN間隔の標準偏差)であり、SDANNは、全記録に含まれる全ての連続する5分セグメントの平均の標準偏差を表す。他のHRVパラメータが使用されうる。]
[0038] 種々の実施形態は、種々のECG特徴を抽出してABIを提供する。こうした特徴の例は、HRVを形成するのに使用されうる心拍数および心拍擾乱を含む。他の特徴は、ECGから抽出されることができ、これらの特徴のうちの一つまたは種々の組合せが、ABIを提供するために使用されうる。種々の実施形態は、ABIを提供するために血圧を提供する。たとえば、一部の実施形態は、肺動脈血圧を検知する。]
[0039] 活性センサは、患者の活性を評価するのに使用されうる。交感神経活性は、当然、活発な患者において増加し、不活発な患者において減少する。そのため、活性センサは、患者の自律神経平衡を決定するときに使用するための文脈上の測定を提供しうる。たとえば、種々の実施形態は、心拍数および/または呼吸数の傾向を把握するためのセンサの組合せを提供して活性の指示子を提供する。]
[0040] 呼吸を検出する2つの方法は、経胸郭インピーダンスおよび分時換気量を測定することを含む。呼吸は、活性の指示子であり、増加した交感神経緊張の説明を提供しうる。たとえば、運動に起因する交感神経活性の増加が検出されることにより、自律神経緊張を調節するための処置を変更するかまたは修正することは適切でない可能性がある。]
[0041] 呼吸(たとえば、経胸郭インピーダンス)測定または、呼吸洞不整脈(Respiratory Sinus Arrhythmia:RSA)を測定するのに使用されうる。RSAは、洞房結節への交感神経および迷走神経インパルスの流れに対する呼吸の影響を通して起こる不整脈の自然なサイクルである。心臓の調律は、主に、心拍数および収縮力を抑制する迷走神経の制御下にある。呼吸が吸い込まれると、迷走神経活性が妨げられ、心拍数が増加し始める。吐出されると、迷走神経活性が増加し、心拍数が減少し始める。心拍数の変動の程度はまた、大動脈および頚動脈内の圧受容器(圧力センサ)からの規則的なインパルスによって有意に制御される。そのため、自律神経平衡の測定は、心拍数を呼吸サイクルに相関させることによって行われうる。
治療プロトコル
本主題は、CPPTを使用して自律神経緊張を調節する。心筋の前調節(preconditioning)は、予想される事象に備えて予防的治療として起こる。たとえば、心筋は、手術を予想して前調節されうる、または、近づく虚血事象の確率の増加を示す観測されたまたは検出された事象に基づいて前調節されうる。こうした事象の例は、以前の心筋梗塞および狭心症を含む。予防的調節は、心不全、高血圧、およびリモデリングを起こしやすい患者の健康を改善するために、高い交感神経傾向から自律神経平衡に向かって自律神経緊張を調節するために使用されうる。心筋の後調節は、疾患に対する治療的処置として起こる。たとえば、心筋の後調節は、虚血事象によって生じた任意の梗塞エリアのサイズを低減させうる。たとえば、後調節治療は、心筋梗塞を観測した後に、患者または医師から受信されるコマンドに基づいて誘発されうる、または、心臓がそのために停止した外科手技後に、医師が、後調節を送出しうる。ある実施形態では、デバイスは、後調節治療を指示される虚血事象または他の事象を検出し、後調節治療を自動的に送出する。後調節治療は、再灌流の期間中、再灌流後の期間中、または、再灌流の期間と再灌流後の期間中に起こりうる。]
[0042] 心臓調節治療はまた、望ましくないほどに高い交感神経傾向を伴う自律神経緊張の有害な影響から保護するため、心臓保護治療と呼ばれてもよい。心臓調節治療は、運動の効果を模擬する可能性がある。]
[0043] 図1は、運動期間に対する自律神経反応を示す。運動は、交感神経反応を増加させる刺激である。運動期間が終了した後に、運動に対する反射反応が、副交感神経緊張を増加させる。交感神経反応は、運動の交感神経作用に対する反応であるように見える。示すグラフが簡単な例証であることを当業者は理解するであろう。水平軸は時間を表し、垂直軸は自律神経緊張を表す。単純にするために、水平軸に相当する垂直軸の値は、自律神経平衡(交感神経活性と副交感神経活性との間の平衡)を表す。経時的に、より大きな副交感神経緊張を有することによって心臓の健康が改善し、自律神経平衡が改善するにつれて、(自律神経平衡を表す)水平軸が、より副交感神経緊張に向かう傾向を持つことになることを当業者は理解するであろう。運動の毎日の例として、走者の安静時の心拍数は、走者の調節が改善するにつれて、低下する傾向があることが留意される。この例は、心拍数の増加によって明らかなように、交感神経緊張を一時的に増加させるランニングは、走者の自律神経平衡を、より高い副交感神経緊張に向かわせる傾向を持つことになることを示す。] 図1
[0044] 図2は、ある期間のCPPTに対する自律神経反応を示す。運動の期間と同様、CPPTは、ペーシング期間中に交感神経反応を増加させる刺激であり、ペーシングが終了した後に、副交感神経緊張を増加させる反射反応をもたらす。示すように、CPPTは、所望の副交感神経反射(作用に対する反応)を生成する交感神経成分(作用)を提供する刺激として機能する。心臓調節治療は、推奨される運動期間(たとえば、30〜60分、1日当たり2回)に相当してもよい。種々の治療継続期間および周波数が使用されうる。種々の心臓調節治療は、スケジュールに従ってプログラムされる。種々の心臓調節治療は、患者による運動期間などの事象の検出後に起こるようにプログラムされる。] 図2
[0045] 図3は、CPPTを制御する実施形態を示す。301にて、ABI(HRT)は、PVC前およびPVC後の心拍数データを使用して決定される。302にて,CPPTは、少なくとも一つのPVC事象に基づいて制御される。] 図3
[0046] 図4は、PVC事象、PVC前心拍数データ、およびPVC後心拍数データを有するタイムラインを示す。HRTは、PVC前およびPVC後のデータを使用して送出される。図に示すように、ABI値は、PVC前心拍数データおよびPVC後心拍数データによって決定される。種々の実施形態によれば、示すPVC前心拍数データは、PVCの直前の所定の数のR−R間隔(たとえば、2拍動)を含み、示すPVC後心拍数データは、PVCの直後の所定の数のR−R間隔(たとえば、2拍動)を含む。HRTは、周期的にまたは断続的に測定され、記録される。] 図4
[0047] 図5は、本主題の種々の実施形態による、CPPTを制御するときの使用のためのABIを決定する方法を示す。503にて、イネーブル信号が受信されたかどうかが判定される。イネーブル信号は、HRTの決定を誘発する。イネーブル信号は、事象(たとえば、CPPTに対するストレス誘発性ペーシングのシーケンスの終了)またはタイマに基づいてもよい。イネーブル信号に応答して、504にて、PVC前心拍数データが収集される。最初のPVC前心拍数データが収集された後、505にて、プロセスは、PVCを誘発(trigger)する。HRTは、検出された内因性PVCに基づいて決定されてもよい。本主題の種々の実施形態は、CPPTによってもたらされるストレスを評価することができるように、CPPTに関して所望の時刻にPVCをもたらすペースを提供する。種々の実施形態は、内因性PVCを検出するだけであり、種々の実施形態は、PVCを誘発するかまたは刺激するだけであり、種々の実施形態は、内因性PVCを検出し、PVCを刺激するプロセスを実施する。PVCが起こった後、506にて、PVC後心拍数データが収集される。507にて、プロセスは、PVC前心拍数データおよびPVC後心拍数データを使用して自律神経平衡指示子(ABI)を決定する。508にて、CPPTが制御されて、PVC事象(複数可)についての計算されたABI(複数可)に基づいて心臓に送出されるストレスを制御する。たとえば、CPPTの継続期間、AV間隔、VV間隔、およびレートの少なくとも一つが、計算されたABI(複数可)に基づいて修正されてもよい。] 図5
[0048] 図6は、ABI検出器の実施形態を示す。示すABI検出器609は、関数生成器610、ファーストイン、ファーストアウト(FIFO)PVC前バッファ611、FIFO PVC後バッファ612、R−R検出器入力613、およびPVC事象検出器入力614を含む。最初にイネーブルされると、連続するR−R間隔が、スイッチ615を介してFIFO PVC前バッファ611に記憶される。バッファ611は、R−R間隔を記憶するために、異なる数のレジスタ616を含みうる。たとえば、一実施形態は、2つの連続するR−R間隔を記憶するようになっている2つのレジスタを含み、一実施形態は、5つの連続するR−R間隔を記憶するようになっている5つのレジスタを含む。バッファ611が満杯になると、次のR−R間隔が受信されるときに、最も古いR−R間隔がバッファから除去される。こうして、バッファは、PVC事象が起こると、PVC事象の直前の間隔を記憶するように、最新のR−R間隔のシーケンスを記憶する。さらに、イネーブル信号617は、PVC前バッファが満杯になった後に生成され、解析器がPVCを処理する準備ができていることを示し、また同様に、PVCをもたらすペースを誘発するのに使用されてもよい。ANDロジックゲート618で示すように、PVC事象が起こり、かつ、イネーブル信号が存在するとき、信号が、ライン619上に生成されて、スイッチ615が作動され、後続のR−R間隔がFIFO PVC後バッファ612に記憶される。バッファ612は、R−R間隔を記憶するために、異なる数のレジスタ620を含みうる。たとえば、一実施形態は、2つの連続するR−R間隔を記憶するようになっている2つのレジスタを含み、一実施形態は、5つの連続するR−R間隔を記憶するようになっている5つのレジスタを含む。バッファが満杯になると、関数生成器610は、イネーブル信号621に応答して、ABI値を生成するように、PVC前バッファに記憶されたPVC前心拍数データおよびPVC後バッファに記憶されたPVC後心拍数データを使用する。スイッチは、リセットされて、次のABIイネーブル信号に応答してPVC前バッファにR−R間隔を受信し始めうる。] 図6
[0049] 図7は、HRTを監視してCPPTを制御する方法の実施形態を示す。722にて、HRTが決定されて、心臓の健康の短期評価を提供する。HRTの決定は、CPPTによってもたらされる心臓に対するストレスを反映するように適切にタイミングをとられる。723にて、CPPTが望ましくないほどに高いストレスを心臓にもたらしているかどうかが、HRTを使用して判定される。CPPTが心臓に過度にストレスをかけていると判定される場合、724に示すように、CPPTのパラメータ(複数可)が、CPPTによってもたらされる心臓ストレスを低減するように調整される。725にて、CPPTが望ましくないほどに低いストレスを心臓にもたらしているかどうかが、HRTを使用して判定される。CPPTが心臓に十分にストレスをかけていないと判定される場合、726に示すように、CPPTのパラメータ(複数可)が、CPPTによってもたらされる心臓ストレスを低減するように調整される。723にて、CPPTが望ましくないほどに高いストレスをもたらしておらず、かつ、725にて、CPPTが望ましくないほどに高いストレスをもたらしていない場合、727に示すように、目下のCPPTパラメータ(複数可)が維持される。図において示す順序は、例として提供される。論理的修正が行われることができ、論理的修正が、依然として、心臓ストレスを適切に評価し、CPPT強度を調節して所望のストレスを提供することができることを、当業者は、本開示を読み理解するであろう。] 図7
[0050] 自律神経平衡に対するCPPTの影響は、短期および長期で観察されうる。処置の目標は、内因性自律神経平衡が所望の緊張(たとえば、より高い副交感神経緊張)となるような傾向を持たせることである。内因性自律神経平衡は、HRV、HRT、心音、電位図などのようなABIを評価するための種々の技法を使用して、ストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスによって短期的に影響を受けない期間中に監視されうる。これらの内因性自律神経平衡指示子は、自律神経平衡の傾向(CPPTの長期効果)を反映する。自律神経平衡の短期評価は、CPPTがストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンス中に送出するストレスを反映するように、ストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスに関して適切にタイミングをとられる。]
[0051] 図8は、複数のCPPTセッションを示し、さらに、CPPTセッションの過程にわたる自律神経平衡829を示す。たとえば、各CPPTセッションは、約数分から数時間、送出されてもよい。各CPPTセッションは、交感神経緊張を一時的に増加させる。示すように、CPPT処置の目標は、複数のCPPTセッションの過程にわたって、内因性副交感神経緊張を増加させること/内因性交感神経緊張を低下させることである。これは、より高い副交感神経緊張に向かって低くなる自律神経平衡の(たとえば、数日、数週、数ヶ月の過程にわたる)傾向によって反映される。] 図8
[0052] 図9は、種々の実施形態による、短期HRT評価および長期HRT評価を決定するタイミングを例として示す。示すタイムラインは、その間に、ストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスが送出される4つのCPPTセッション928を含む。CPPTセッション928は、その間に、ストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスが送出されないCPPTペーシング相互間の期間929によって分離される。示すタイムラインでは、短期HRT評価は、ストレス誘発性ペーシングパルスによってもたらされるストレスを反映するなどのために、ストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスが終了すると、または、終了するとすぐに決定される。短期HRT評価は、治療のストレスに患者が耐える能力を示すために使用されうる。長期HRT評価は、CPPTに対する短期的で有意な反応が無い状態で、患者の内因性自律神経平衡を反映するなどのために、CPPTペーシング相互間の期間の終了時近くで起こるものとして示される。] 図9
[0053] 図10は、CPPTセッションを終了させるためにストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスを再開する前に、CPPTセッション1208が、短期HRT評価を提供するために中断される実施形態を示す。たとえば、CPPTセッションが60分間続くと仮定する場合、CPPTセッションは、CPPTセッションを心臓が継続する能力を評価するために、10分後に中断されてもよい。CPPTセッションは、複数回、中断されてもよい。] 図10
[0054] 図11は、種々の実施形態による、コントローラに組込まれる可能性があるようなCPPTコントロール生成器を示す。示すCPPTコントロール生成器は、少なくとも一つの短期ABIおよび少なくとも一つの長期ABIを受信し、少なくとも一つの短期ABIおよび少なくとも一つの長期ABIの関数に基づいてCPPTの強度を調節するCPPTコントロール信号を生成する。こうして、本主題は、処置についての所望の目標に対する処置の有効性ならびにCPPTからのストレスに反応する患者の短期的な自律神経の健康を反映しうる。長期ABIは、処置のための所望のABI目標と比較されうる。たとえば、患者の健康がより大きなストレスを可能にし、かつ、効果的な長期処置を達成するために、より大きなストレスが所望される場合、本主題の実施形態は、ストレスを増加させることになる。さらなる例として、効果的な長期処置を達成するために、より大きなストレスが所望されるが、患者の健康がそのストレスを目下のところ可能にしない場合、本主題の実施形態は、ストレスを増加するようにCPPTを修正しないことになる。なお別の例として、効果的な長期処置を達成するために、より大きなストレスが所望されるが、患者の目下の健康が、長期処置のための所望の完全な増加ではなく、制限されたストレスの増加を可能にするだけである場合、本主題の実施形態は、患者の目下の健康に基づいてストレスの増加を制限する。] 図11
[0055] 図12は、埋め込み型医療デバイスの実施形態を示す。示すデバイス1230は、コントロール回路1231、検知回路1232、パルス出力回路1233、ABI検出器1234、およびHRTテンプレート生成器1235を含む。示すコントローラ1231は、ストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスの開始を制御するのに使用されるCPPTイニシエータ1237およびストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスの継続期間を制御するのに使用されるCPPTタイマ1238を含む心筋刺激モジュール1236を含む。心筋刺激モジュール1236は、レート、AV間隔、および/またはVV間隔などのCPPTのパラメータを修正するようになっている。ストレス誘発性ペーシングパルスは、パルス出力回路1233によって生成され、電極に到る。検知回路1232は、HRTを決定するためにABI検出器によって使用される心拍数を検知するのに使用される。ABI検出器および検知回路は、協調してHRVまたは他のABIを決定しうる。HRTテンプレート生成器は、HRT(CPPTが無い状態の期間中のHRTなど)を生成し記憶して、HRTが増加しているか、または、減少しているかを判定するためのベースラインを提供する。] 図12
[0056] 種々の実施形態によれば、コントロール回路は、デバイスが、CPPTの送出ならびに他のペーシング治療を制御することを可能にする。これは、CPPTペーシングの機能が、徐脈および心不全の処置などのために長期ベースでペーシング治療を送出する埋め込み型医療デバイスに含まれることを可能にする。種々の実施形態では、CPPTは、スケジュールに応じて、かつ/または、ABIに応じて、一つまたは複数の短い期間中に送出される一時的なペーシング治療を含み、埋め込み型医療デバイスはまた、徐脈ペーシング治療などの長期的なペーシング治療またはCRTを送出する。他の実施形態では、CPPTは、送出される唯一のペーシング治療である、または、CPPTは、少なくとも一定の期間中、送出されるようにプログラムされた唯一のペーシング治療である。]
[0057] 図13は、本主題の種々の実施形態による、神経刺激(neural stimulation:NS)コンポーネント1340および心臓調律管理(cardiac rhythm management:CRM)コンポーネント1341を有する埋め込み型医療デバイス(implantable medical device:IMD)1339を示す。種々の実施形態によれば、コントローラは、神経刺激およびCRM機能を実施するために、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せを含む。たとえば、本開示で説明されるプログラム式治療アプリケーションは、メモリ内で具現化され、プロセッサによって実行されるコンピュータ読取り可能命令として記憶されることが可能である。種々の実施形態によれば、コントローラは、神経刺激およびCRM機能を実施するための、メモリ内で具現化された命令を実行するプロセッサを含む。CRM機能は、徐脈ペーシング、抗頻脈ペーシングおよびデフィブリレーションなどの抗頻脈治療、ならびにCRTを含む。コントローラはまた、ABIを検出する命令を実行し、一部の実施形態によれば、HRTテンプレートを生成する。示すデバイスは、さらに、プログラマあるいは別の外部または内部デバイスと通信するのに使用するための、送受信機1344および関連する回路要素を含む。種々の実施形態は、テレメトリコイルを含む。] 図13
[0058] CRM治療セクション1341は、コントローラの制御下で、一つまたは複数の電極を使用して、心臓を刺激する、かつ/または、心臓信号を検知するコンポーネントを含む。CRM治療セクションは、電極を通して電気信号を提供して心臓を刺激するのに使用するためのパルス生成器1345を含み、さらに、検知された心臓信号を検出し処理するセンス回路要素1346を含む。インタフェース1347は、一般に、コントローラ1342とパルス生成器1345とセンス回路要素1346との間で通信するのに使用するために示される。3つの電極が、CRM治療を提供するのに使用するための例として示される。しかし、本主題は、特定の数の電極部位に限定されない。各電極は、自分自身のパルス生成器およびセンス回路要素を含んでもよい。しかし、本主題は、そのように限定されない。パルス生成および検知機能は、複数の電極で機能するように多重化されうる。]
[0059] NS治療セクション1340は、コントローラの制御下で、神経刺激目標を刺激し、一部の実施形態では、神経活性、または、血圧および呼吸などの神経活性の代用物に関連するパラメータを検知するコンポーネントを含む。3つのインタフェース1348は、神経刺激を提供するのに使用するために示される。しかし、本主題は、特定の数のインタフェースあるいは任意の特定の刺激または検知機能に限定されない。パルス生成器1349は、神経刺激目標を刺激するのに使用するための一つまたは複数の変換器に電気パルスを提供するために使用される。種々の実施形態によれば、パルス生成器は、刺激パルスの振幅、刺激パルスの周波数、パルスのバースト周波数、ならびに、方形波、三角波、正弦波、および所望の高調波成分または他の信号を有する波などのパルスの形態を設定し、また、一部の実施形態では、変更する回路要素を含む。センス回路要素1350は、神経活性、血圧、呼吸などのセンサなどの、センサからの信号を検出し処理するのに使用される。インタフェース1348は、一般に、コントローラ1342とパルス生成器1349とセンス回路要素1350との間で通信するのに使用するために示される。たとえば各インタフェースは、別個のリード線を制御するのに使用されてもよい。NS治療セクションの種々の実施形態は、迷走神経などの神経目標を刺激するパルス生成器を含むだけである。]
[0060] 図14は、マイクロプロセッサベースの埋め込み型デバイスの実施形態のシステム図を示す。デバイス1451は、心房または心室内の複数の部位を検知し、かつ/または、ペーシングし、神経刺激を提供するように物理的に構成されてもよい複数の検知およびペーシングチャネルを装備する。示すデバイスは、心筋刺激(たとえば、心筋調節ペーシング、徐脈ペーシング、デフィブリレーション、CRT)および神経刺激のために構成されうる。複数の検知/ペーシングチャネルは、たとえば、2心室再同期治療を送出するための一つの心房チャネルおよび2つの心室検知/ペーシングチャネルを用いて、心房追従モードで2心室再同期治療を送出すると共に、必要である場合に心房をペーシングするのに使用される心房検知/ペーシングチャネルを用いて構成されてもよい。デバイスのコントローラ1452は、双方向データバスを介してメモリ1453と通信するマイクロプロセッサである。コントローラは、状態機械タイプの設計を使用して他のタイプのロジック回路要素(たとえば、ディスクリートコンポーネントまたはプログラマブルロジックアレイ)によって実施されうる。本明細書で使用されるように、用語「回路要素(circuitry)」は、ディスクリートロジック回路要素またはマイクロプロセッサのプログラミングを指すものと考えられるべきである。] 図14
[0061] 図14には、例として、「A」〜「C」で指定された、心筋刺激/ペーシングを提供するのに使用されうるなどの、3つの検知およびペーシングチャネルが示されており、リングすなわち近位電極1454A〜Cおよび遠位すなわち先端電極1455A〜Cを有する2極リード線、パルス生成器1456A〜C、検知増幅器1457A〜C、ならびにチャネルインタフェース1458A〜Cを備える。各チャネルは、そのため、電極に接続されたパルス生成器で構成されたペーシングチャネルおよび電極に接続されたセンス増幅器で構成された検知チャネルを含む。チャネルインタフェース1458A〜Cは、マイクロプロセッサ1452と双方向通信し、各インタフェースは、検知増幅器からの検知信号入力をデジタル化するアナログ−デジタル変換器、および、ペーシングパルスを出力し、ペーシングパルス振幅を変更し、検知増幅器のための利得および閾値を調整するために、マイクロプロセッサによって書込まれうるレジスタを含んでもよい。ペースメーカの検知回路要素は、特定のチャネルによって生成される電位図信号(すなわち、心臓電気活動を表す電極によって検知される電圧)が指定された検出閾値を超えると、心腔センス(心房センスかまたは心室センス)を検出する。特定のペーシングモードで使用されるペーシングアルゴリズムは、こうしたセンスを使用して、ペーシングを誘発するかまたは抑止し、内因性の心房レートおよび/または心室レートは、心房センス間の時間間隔および心室センス間の時間間隔をそれぞれ測定することによって検出されうる。ペーシングアルゴリズムはまた、適切な前調節および後調節ペーシングアルゴリズムを含む。] 図14
[0062] 図14には同様に、例として、「D」および「E」と指定された神経刺激チャネルが示される。神経刺激チャネルは、デバイスに組込まれる。これらのチャネルは、本文書で説明するように、神経刺激を送出して、心臓保護治療の一部として副交感神経反応/交感神経反応を誘発するのに使用されうる。示すチャネルは、電極1461Dおよび1462Dならびに1461Eおよび1462DE、パルス生成器1463Dおよび1463E、ならびにチャネルインタフェース1464Dおよび1464Eを有するリード線を含む。示す2極配置構成は、非排他的な例として意図される。他の神経刺激電極配置構成は、本主題の範囲内にある。他の実施形態は、単極リード線を使用してもよく、その場合、神経刺激パルスは、缶電極または別の電極を基準にする。パルス生成器は、各チャネルについて、たとえば、振幅、周波数、デューティサイクル、パルス継続期間、および波形形態に関して、コントローラによって変えられる可能性がある神経刺激パルス列を出力する。ショックパルス生成器1465はまた、ショック可能頻脈性不整脈が検出されると、ショック電極1466Aおよび1466Bの対を介してデフィブリレーションショックを心房または心室に送出するために、コントローラにインタフェースされる。] 図14
[0063] 示すコントローラは、神経刺激(NS)治療を制御するモジュールおよび心筋治療を制御するモジュールを含む。NS治療モジュールは、制限ではなく例として、心筋調節治療(たとえば、迷走神経刺激または心臓脂肪パッドの刺激)および/または高血圧治療などの種々の神経刺激治療を提供しうる。同様に示すように、心筋治療モジュールは、心筋調節ペーシングを制御するモジュール、徐脈ペーシング治療を制御するモジュール、デフィブリレーション治療を制御するモジュール、およびCRTを制御するモジュールを含む。示す神経刺激治療モジュールは、心筋調節モジュールおよび神経刺激スケジューリングモジュールを含む。スケジューラは、刺激のタイミングおよび継続期間を制御する。コントローラは、ペーシングチャネルを介してペースの送出を制御すること、検知チャネルから受信されるセンス信号を解釈すること、および、補充間隔(escape interval)および感覚不応期を規定するためのタイマを実装することを含む、メモリに記憶されたプログラム式命令に従ってデバイスの全体の動作を制御する。コントローラは、事象の検知および時間間隔の終了に応答して、どのようにパルスが出力されるかを規定する、いくつかのプログラム式ペーシングモードでデバイスを動作させることが可能である。徐脈を処置するためのほとんどのペースメーカは、規定された間隔内で起こる心臓事象の検知がペーシングパルスを誘発するかまたは抑止する、いわゆるデマンドモードで同期して動作するようにプログラムされる。抑止型デマンドペーシングモードは、補充間隔を利用して、心腔による内因性拍動がその間検出されない規定された補充間隔の終了後にだけ、ペーシングパルスが心周期中に心腔に送出されるように、検知された内因性活性に従ってペーシングを制御する。心室ペーシングのための補充間隔は、心室または心房事象によって再起動されることができ、後者は、ペーシングが、内因性心房拍動に追従することを可能にする。CRTは、最も好都合に、徐脈ペーシングモードと共に送出され、たとえば、複数の興奮性刺激パルスが、徐脈モードに従って心臓をペーシングすると共に、選択された部位の前興奮を提供するために、心周期中に複数の部位に送出される。身体運動レベルセンサ1467(たとえば、加速度計、分時換気量センサ、経胸郭インピーダンスの心臓成分および/または心臓内インピーダンス、あるいは、代謝要求に関連するパラメータを測定する他のセンサ)は、コントローラが、患者の身体活性の変化に従ってペーシングレートに適合することを可能にし、また、コントローラが、神経刺激および心臓ペーシングの少なくとも一方の送出を調節することを可能にしうる。コントロ−ラが、外部プログラマまたはリモートモニタと通信することを可能にするテレメトリインタフェース1468もまた設けられる。]
[0064] 本明細書で示し述べられるモジュールおよび他の回路要素は、ソフトウェア、ハードウェア、およびソフトウェアとハードウェアの組合せを使用して実施されうることを当業者は理解するであろう。したがって、たとえば、用語、モジュールおよび回路要素は、ソフトウェア実施態様、ハードウェア実施態様、およびソフトウェアとハードウェアの実施態様を包含することを意図する。]
[0065] 本開示で示す方法は、本主題の範囲内の他の方法を排除することを意図しない。当業者は、本主題の範囲内の他の方法を、本開示を読み理解すると理解するであろう。先に明らかにした実施形態および示した実施形態の部分は、必ずしも互いに排他的ではない。これらの実施形態またはこれらの実施形態の部分は組合せられうる。種々の実施形態では、方法は、一つまたは複数のプロセッサによって実行されると、プロセッサ(複数可)がそれぞれの方法を実施するようにさせる命令のシーケンスを表す、搬送波または伝播信号で具現化されるコンピュータデータ信号を使用して実施される。種々の実施形態では、方法は、それぞれの方法を実施するようにプロセッサに指令することが可能なコンピュータアクセス可能媒体上に含まれる命令のセットとして実施される。種々の実施形態では、媒体は、磁気媒体、電子媒体、または光媒体である。]
[0066] 先に詳述した説明は、制限的でなく、例証的であることを意図される。他の実施形態は、先の説明を読み理解すると、当業者に明らかになるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付特許請求の範囲を参照して、添付特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に、決定されるべきである。]
权利要求:

請求項1
システムであって、少なくとも一つの電極を通してペーシングパルスを送出して、心臓ペーシングを提供するように構成された心筋刺激器と、心拍数を検出して心拍擾乱(HRT)を決定する際の使用に適合する少なくとも一つのセンサと、前記心筋刺激器および前記少なくとも一つのセンサに接続されるコントローラとを備え、前記コントローラは、ストレス誘発性ペーシング中に交感神経緊張を増加させるように適合されたストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスを断続的に送出し、検出された前記心拍数からHRTを決定して、前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスを評価し、前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスが望ましくない場合、前記ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータを調整して、心臓ストレスを調整するように構成されている、システム。
請求項2
前記コントローラは、ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスが送出されない期間中にペーシングパルスを送出して心室期外収縮(PVC)を誘発し、前記PVCに対する心拍擾乱反応を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
請求項3
前記コントローラは、PVC前心拍数データおよびPVC後心拍数データに応じてHRTを決定するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
請求項4
前記コントローラは、ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスの終了後に、前記ペーシングパルスを送出して前記PVCを誘発し、前記PVCに対する前記HRT反応を決定するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
請求項5
前記コントローラは、ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスの終了前に、ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスを中断し、前記シーケンスが中断された後、前記ペーシングパルスを送出して前記PVCを誘発し、前記PVCに対する前記HRT反応を決定し、前記PVCに対する前記HRT反応が評価された後、ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスを継続するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
請求項6
ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスは、被検者の自律神経平衡を所望の自律神経平衡目標に調整するための処置として送出され、前記コントローラは、自律神経平衡を監視して前記処置の有効性を評価し、監視された前記自律神経平衡に基づいて前記ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータを調整して、前記処置の有効性を改善するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
請求項7
前記コントローラは、前記ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータを、前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する評価された前記心臓ストレスと前記処置の評価された前記有効性の両方に応じて調整するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
請求項8
HRTを決定する際の使用に適合する前記少なくとも一つのセンサは、心室収縮を検知するための少なくとも一つのセンサを含み、前記コントローラは、心室期外収縮の直前の少なくとも一つのRR間隔および前記PVCの直後の少なくとも一つのRR間隔を決定して、HRTを決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
請求項9
ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスは、前記ストレス誘発性ペーシングパルスが送出される部位から離れた局所領域において、ペーシングされた心臓を、ペーシングされない心臓に比べて、より一層働くようにさせる、請求項1に記載のシステム。
請求項10
ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスは、前記ペーシングパルスが無い状態の内因性心調律のレートより速いレートでペーシングする、請求項1に記載のシステム。
請求項11
ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスは、前記ペーシングパルスが無い状態の内因性心調律のAV遅延より短いAV遅延で心室をペーシングする、請求項1に記載のシステム。
請求項12
ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスは、前記ペーシングパルスが無い状態の内因性心調律のVV遅延より長いVV遅延で心室をペーシングする、請求項1に記載のシステム。
請求項13
システムであって、ストレス誘発性ペーシング中に交感神経緊張を増加させるように適合されたストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスを断続的に送出する手段と、前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスを評価する手段であって、心拍擾乱(HRT)を評価する手段を含む、前記心臓ストレスを評価する手段と、前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスが望ましくない場合、前記ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータを調整して心臓ストレスを調整する手段とを備えるシステム。
請求項14
ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスは、被検者の自律神経平衡を所望の自律神経平衡目標に調整するための処置として送出され、前記システムは、前記処置の有効性を評価する手段と、前記評価された自律神経平衡に基づいて前記ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータを調整して前記処置の有効性を改善する手段とをさらに備える、請求項13に記載のシステム。
請求項15
前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスを評価する手段は、ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスの終了後に、前記ペーシングパルスを送出して心室期外収縮(PVC)を誘発し、前記PVCに対する心拍擾乱反応を評価する手段、または、ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスの終了前に、ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスを中断し、前記シーケンスが中断された後、前記ペーシングパルスを送出して前記PVCを誘発し、前記PVCに対する心拍擾乱反応を評価し、前記PVCに対する心拍擾乱反応が評価された後、ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスを継続する手段を含む、請求項13に記載のシステム。
請求項16
前記調整する手段は、前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する評価された前記心臓ストレスが望ましくないほどに高い場合、前記ストレス誘発性ペーシングパルスを一時的に中断するか、または、前記ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータを調整して、前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスを低減する手段を含む、請求項13に記載のシステム。
請求項17
前記ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータを調整する手段は、前記ペーシングパルスが無い状態の内因性心調律のAV遅延に近くなるようにAV遅延を増加させる手段、前記ペーシングパルスが無い状態の前記内因性心調律のVV遅延に近くなるようにVV遅延を短縮させる手段、ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスの継続期間を短縮させる手段、ペーシング部位を変更する手段、または前記ストレス誘発性ペーシングパルスのレートを減少させる手段のうちの少なくとも一つを含む、請求項16に記載のシステム。
請求項18
前記調整する手段は、前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する評価された前記心臓ストレスが望ましくないほどに低い場合、前記ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータを調整して、前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する心臓ストレスを増加させる手段を含む、請求項13に記載のシステム。
請求項19
前記ストレス誘発性ペーシングパルスの少なくとも一つのパラメータを調整する手段は、前記ペーシングパルスが無い状態の内因性心調律のAV遅延から離れるようにAV遅延を減少させる手段、前記ペーシングパルスが無い状態の前記内因性心調律のVV遅延から離れるようにVV遅延を延長させる手段、ストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスの継続期間を延長させる手段、ペーシング部位を変更する手段、前記ストレス誘発性ペーシングパルスのレートを増加させる手段、またはストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンス中に、同期不全を有する患者における2心室ペーシングを中断してストレスを増加させる手段のうちの少なくとも一つを含む、請求項18に記載のシステム。
請求項20
前記ストレス誘発性ペーシングパルスのシーケンスを断続的に送出する手段は、前記ペーシングパルスが無い状態の内因性心調律のレートより速いレートでペーシングする手段、または心室をペーシングする手段であって、前記ペーシングパルスが無い状態の内因性心調律のAV遅延より短い、VV遅延が有るかまたは無い状態のAV遅延、または、前記ペーシングパルスが無い状態の内因性心調律のVV遅延より長いVV遅延の少なくとも一方で心室をペーシングする、前記心室をペーシングする手段の少なくとも一方を含む、請求項13に記載のシステム。
請求項21
前記調整する手段は、ペーシングレートを調整すること、AV遅延を調整すること、VV遅延を調整すること、またはストレス誘発性ペーシングパルスの前記シーケンスの継続期間を調整することのうちの少なくとも一つを含む、請求項13に記載のシステム。
請求項22
前記評価する手段は、前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する短期自律神経平衡反応を評価する手段を含み、前記システムは、前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する長期自律神経平衡反応を評価する手段をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
請求項23
前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する長期自律神経平衡反応を評価する手段は、少なくとも一つのパラメータの値、および所望の目標値までの前記少なくとも一つのパラメータの経過を監視する手段と、前記ストレス誘発性ペーシングパルスに対する所望の心臓ストレスを、監視されている前記少なくとも一つのパラメータについての監視されている前記値および前記所望の目標値に応じて決定する手段とを含む、請求項22に記載のシステム。
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